女子力の高すぎる男子高校生

考学館各務原校では小4~高3までが1つの校舎に集い、同じ講師がライヴの授業で同じ生徒を指導し続ける。

 

高校生だけでも30名弱の生徒を抱え、今では高校生の数学のコマは完全に埋まっている状態となっている。

 

そんな中で、勉強のストレスが溜まると「お菓子作り」を始める、男子高3生Aがタルトを作って持ってきた。ご丁寧に妻の分まで作ってくれた。生地とカスタードも手作り。しかも上にのっているのはゴールデンキウイ…

 

2016 0511タルト

 

作る前の日に色々と聞かれた。

「フルーツは何がいいですか?」「焼きプリンも乗せれますが・・・」女子力が高すぎる。

 

小6の頃は挨拶もできなかった彼は、5年以上の時を経て、今や全塾生のお手本と言っても過言ではない。その年の最後の授業になると、必ず「今年も1年お世話になりました。来年もよろしくお願いします」と言って去って行く。年中行事みたいになっているので、それを聞くと、今年も1年終わりか、と思う。(ほぼ毎日、23:00まで塾にいて、帰宅するのが全員の生徒の中で最後なので)

 

このコミュニケーション能力と気配り、そして実直さがずば抜けた好成績の要因となっているのだろう。

 

だから、その年中行事も今年で最後になるかと思うと、この5年強の取り組みも無駄じゃなかったな、と思う。

 

※地元の大学に通うことになったら、スタッフとして戻ってきてもらいます!!

人はここまで変わる

考学館各務原校では小4~高3までが1つの校舎に集い、同じ講師がライヴの授業で同じ生徒を指導し続ける。

 

先日、ある生徒が、「先生、お母さんと相談して決めたんですけど、ゲームとかあると家でやっちゃうので、テスト前だけ塾で預かってもらっていいですか」と切り出してきた。(以下Mとします)

 

Mの通塾歴はけっこう長いが入塾以来、何の変化も見られなかった。当塾の方針として「無理強い」だけは絶対にしたくなかったので、どこに原因があるのかを徹底的に観察した。

 

そして、「コミュニケーション能力」を向上させなければ、学習態度も生活態度も改善されない、という結論に達した。

 

さすがにこのままではマズいと判断し、小島先生と相談して以下の取り決めをした。

 

①毎日塾に来る

②その日にあったことを講師に話す(主語・目的語・述語をはっきりさせる)

③その日の勉強は全て塾で終わらせる

④ちょっとでも疑問があったら、講師に質問する(大人とのコミュ力を高めるため)

 

コミュニケーションを取る中で、歴史に対する知的好奇心が旺盛であることを突き止めた。だから、個人的にリスぺクトするゲバラの話をしてみた。翌日には、おそらくネットで一生懸命調べたのであろう、「自分から」革命の話やエピソードなどを嬉しそうに話してくれた。ここがターニングポイントになったと思う。

 

それ以降、自分から「明日は○○時に自習に来ます」「部活は○○部に入ろうと思います」「今日は学校でこんなことがありました」と何も働きかけをしなくても、勝手に話してくれるようになった。そして、冒頭のセリフに至る…今では、塾の宿題などは、放っておいても「期日前」に「自分から」見せてくれる

 

生徒対応にマニュアルなど存在しないので、全員がこれで成功するわけではない。ただ、「甘やかし」と「優しさ=厳しさ」をはき違えると、素直さは無くなるように思う。Mの唯一の救いは「素直さのかけら」が残っていたことだ。素直な生徒は、「こいつ、何とかしてやらなきゃな」との想いをこちらに抱かせてくれる。何度もこの日報で書いてきたが、それも大切な才能だ。

 

以前、ある保護者の方から、「人対人の関わりがあるここの塾は本当に魅力的だと思います」とのお言葉をいただいたことがある。

 

少しずつ、じわりじわりと当塾の理念が浸透してきている。

 

小学生作文

レーズンパンの思い出

小4~高3までが同じ校舎に集う当塾。同じ講師が同じ生徒を最長9年指導する。

 

「コンビニでレーズンパンを見るたびに彼のことを思い出しますね」小島先生とこんなやりとりをしていた。

 

「彼」というのは言うまでもなく、当塾からこの3月に首都大学東京に合格した生徒のことだ。今振り返っても、30人という定員の中に、よく入ることができたと思う。言うまでもなく、彼が通っていた高校からの合格者は1名のみ。

 

レーズンパンとブラックコーヒーを持参して彼は学校帰りにやって来る。

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24時まで小休憩を挟みながら、授業を受けてひたすら自習。

23時を過ぎると、無声音で口頭英作文をする声が、高3生が3人しかいない教室に響き渡る。

大好きな光景だった。

 

「すごいですね」とよく言われる。塾がすごいわけではない。

入塾当初の能力からしたら、ほぼ奇跡に近い。ただ、本人が頑張っただけで、塾はそのお手伝いをしただけだ。それはほかの高3生も同じ。周りから「浮きこぼれる」ことを恐れずに、当塾を信じてくれたからこその当然の結果だと思っている。

※「浮きこぼれる」は「落ちこぼれる」の反対語です。

 

周囲に反して、自分が「浮く」には勇気がいる。当塾の方針もしかり。ただ、成功するのは、ブレない軸足を持っている者だけだ。そんな彼らに送った言葉がある。

 

If you have no critics you’ll likely have no success.

<もしあなたを批判するものがいないなら、あなたは恐らく成功しないだろう>

 

If you don’t stand for something you will fall for anything.

<信念を持たない人間は、あらゆることに流される>

 

ただ1つ言えることは、「やる気の無い者に開かれる便利な自動ドアは受験には存在しない」ということだけだ。サクセスストーリーに憧れる暇があったらここの塾の先輩たちを見習って欲しい。最強のお手本なのだから。

なぜか講師に指導する生徒たち

小4~高3までが同じ校舎に集う当塾。同じ講師が同じ生徒を最長9年指導する。

 

 

ということは、開校当初の小学生はもう高校生になっている。

ABCもろくに書けなかった生徒が名詞構文をスラスラ訳すようになるのを、一番近い距離でずっと見てきた。

小6時、挨拶すら出来なかった生徒が、今や第一志望は旧帝大。数Ⅲの問題をスラスラを解いているのを見るだけで、純粋に「すごいな」と思う。

 

今、小学生の授業を行っている夕方の時間帯は、学校帰りの中高校生たちが自習室に集まり始める。

 

そして、小学生の授業光景を見ながらいつもニヤニヤしている。

 

同業者の方ならお分かりいただけると思うが、この仕事は、時として「役者」にならなければならない。

こんな自分でもプロの端くれなので、生徒対応は臨機応変にしている。

さすがに小学生に、受験期の高3生や中3生のような物言いはしないし、他の学年の生徒を咎める時のような口調では話さない。完全に塾に染まってもらうまでは、そんなにキツいことも言うつもりもない。言葉は慎重に選んでいる(つもりだ)。

 

当塾の現役の塾生(特に高校生)や現在大学生の卒塾生は、講師を見る目が肥えている。

だから、「今日も先生、頑張って引きつった笑顔で生徒に優しくしてるな」ということが分かってしまうようだ。どうもそれが面白いらしい。

 

最近では、偉そうに上から目線の「アドバイスをしてくる生徒」もいる。

「先生、もうそろそろ注意をした方がいいと思います」

「将来のために、もっと厳しくした方が…」

「僕たちが小学生の頃より優しすぎませんか?」

 

そもそもこれを言ってくる連中の方がもっと酷かった。思い出すだけでもゾッとする。

塾内で柿の種を食い散らかす、駄菓子のゴミを捨てようとする、配布したプリントは全て無くす、挙げればきりがない。

そんな彼らが今や高校で学年順位1ケタ。見ていて本当に嬉しくなるし、ずっと塾を信じてくれたことへの感謝の気持ちしかない。

 

素直でさえあれば誰でも、5年後には今の高校生の塾生のようになれるはず。

毎日誰かが主人公

考学館各務原校では小4~高3までが1つの校舎に集い、同じ講師がライヴの授業で同じ生徒を指導し続ける。

 

ここ最近は、夕方の自習室が活気に満ち溢れているので、毎日誰かが光り輝く瞬間がある。

今日は高1・2生の英語の演習があった。

高2生には「英文解釈の和訳」と「口頭英作文」をタスクとして課しているので、部活に所属していない生徒は夕方から集まり始める。

18:00すぎには、無声音で音読をする生徒たちの声が教室のあちらこちらから聞こえてくる。

 

今日は、その中でも最近少しずつ成長の兆しを見せているある生徒に目がいった。小6の最初から5年以上、2日に1回ペースで見ているから分かる。

 

必死に音読をするその姿を見ながら、5年以上前の入塾当初のことをふと思い出した。
(写真はイメージ)

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入塾テストは国語が0点だった。要領が悪く、頑固者で負けず嫌い。ただ、自分と似たタイプだからなぜか放っておけない。時に反骨心をあおり、時にフォローし、時にけなし、高校受験を経て、それでも当塾を継続してくれる生徒を見捨てるはずがない。

 

たまたま手が空いていたので、その生徒のチェックをしてみたら、三単現のSも複数形のSも冠詞もどれ一つ抜け落ちることなく、スラスラと英作ができていた。生徒の成長に嬉しい気持ちになった。

そして、今後も素直さも保ちつつ、自分らしさを貫き通して頑張って欲しいと切に願ったのでした…

 

 

この仕事は「御用聞き」ではないので、どんなわがままでも聞き入れることはしない。

 

ただ「こいつのことを何とかしてやらなきゃ」と第三者に思わせるのも、その人の才能だ。授業中にそんなことを思った。