僕には、勝手にライバルだと思っている男がいる。
全国屈指の学習塾激戦区でトップ講師になった、大学時代の親友だ。
トライアスロンのタイムも、人望も、大学入学後の学力も彼には何一つ勝てなかった。
何のめぐり合わせか、彼も卒業後、塾業界に飛び込んだ。その後の活躍はここでは書ききれない程だ。(現在は異業種)
彼の生の授業を目の前で見させてもらったことがあるが、「これは勝てないな・・・」と思った。集団塾の講師の授業は面白い・分かりやすいは当たり前、その他生徒を動かす力や、管理能力、全てひっくるめて「教務力」である。今日現在、自分が対面で授業を見た講師で、僕より「教務力」が長けているのは彼以外には見当たらない。
唯一負けを認めた彼に、自分の結婚式のスピーチを依頼した。
まだ現場でバリバリやっていたのにも関わらず、わざわざ出席してくれて、圧巻のスピーチを披露してくれた。
過去を顧みると、自分の身勝手さで高校を中退し、不純な動機から大検を取得して大学に入り、トライアスロンを始め、そこでかけがえのない生涯の友人を何人もつくることができた。
生徒たちも、お互いを高め合える、馴れ合いではない建設的な友人関係を築いて欲しいと切に願う。勉強はその道具だ。泥臭く、汗と嘲笑にまみれて頑張ることによって、自ずと外見も変わってくる。
そうなるためには「周りから浮く」勇気が必要だ。その勇気が無いのなら、勉強を通して人格形成することは無理だ。
もうすぐテスト習慣、周りから浮いて浮いて浮きまくってこそ当塾の塾生が結果を出し続けられる肝だ。