他ではあまり見られない光景かもしれないが、当塾は一度退塾した生徒が戻って来る。夏期講習が始まって数日が経ったある日、こんなことがあった。
校舎の電話が鳴り、受話器を取ると、「もしもし、水野先生ですか?」と生徒らしき声が聞こえた。相手は以前、通塾してくれていた生徒だった。電話の後ろが騒々しかったので、どこから電話しているのかと聞くと、「携帯の電池が切れたので、公衆電話からです」との返答。続けて「あれから色々考えたのですが、やはり水野先生のところへ戻りたいです」と思いもよらないことを言われた。実はこの案件は1件目ではない。以前通塾してくれていた生徒が、「やっぱりここが一番です」と言って戻ってきてくれたケースが過去にもある。
そういう生徒には、何もかも犠牲にして尽くしたくなってくる。
「卒業してからここの良さが分かってくれればそれでいいから」というのは常に生徒に言い聞かせてきた。当塾は大手同業他社とは違い、爆発的には生徒の人数は増えないし、こちらもそれを望まない。今通ってくれているお客様に最大限のサーヴィスをすることだけを今後も心がけていきたい。