6年前の中3生にある生徒がいた。(Nとしておく)
Nは能動的で、特に苦手の理数系の質問は、毎日必ず持って来た。
高校受験が近づいた最後の模試の前日にも塾に最後まで居残り、ひとしきり質問をして帰って行った。
翌日、自己採点をさせたら、理科が50点にも満たない点数であった。不安で涙声になるNをきつく叱った。
「君は質問を持って来る時、いつも友達と一緒だ。そんな馴れ合いの関係を続けていたら、間違いなく落ちるぞ」
そこで一つ、約束をした。
「何があっても例外は絶対に作らないこと」
受験まで、土日は8時~23時までの自習を義務付け、保護者様の許可をいただいた上で、多少の体調不良でも頑張ってもらった。その結果、無事に県内2番目の進学校に合格した。写真は、合格した後に黒板にされた落書きだ。
そして、大学に合格したNはアルバイトとして当塾に戻って来た。
色眼鏡無しに見ても、とにかく仕事ができる。私の社会人一年目よりもはるかに優秀だ。指示したことは的確にこなし、言われなくても雑務をこなしてくれる。きっと企業からも必要とされる有能な人材と成り得ることと思う。「ここで高校生の時に授業を受けたかったです。もっと早く前の会社辞めてたら良かったですね」と冗談を言って帰る後ろ姿を見て、言霊は伝わるということを改めて認識した、そんな一日だった。
結果を出そうと思ったら、例外を作ってはいけない。1回でも例外を作るとそれが普通になってしまう。当塾の中学生で290点を440点にした生徒、230点を360点にした生徒、260点を430点にした生徒。入塾当初、挨拶もできなかった高校生が学内1ケタ順位を獲り続けているのには共通点がある。
それは、例外を作らず、当塾を信じてくれたこと。この1点につきる。
上の学年の影響も受けて、最近では小5の生徒まで自習にやって来る。
塾全体が活気に満ちている「非日常空間」とも言えるこの雰囲気がたまらなく良い。
※余談ではあるが、体型維持のため、1年程前から腕立て伏せを週3~4のペースで100~150回(25回×4~6セット)やっている。例外を作らずにやり続けた結果、着られなくなったYシャツが3枚。ブロイラーのような大胸筋になってしまった。この間、最もガタイの良い高1生と何回できるか対決をしたが、楽勝だった。