公立高校の入試が近づくと、生徒から作文の相談や添削の依頼が増えてきます。小学校・中学校で感想文や作文、日記など、“文を書く”ことに慣れている”はず”なのに・・・入試の条件作文を一発で理路整然たる文章に書き上げる生徒は一握りです。
すぐに条件作文を書ける生徒に対して、「文章書くことが得意だ」や「文才がある」と一括りにまとめて切り捨ててはいけません。なぜなら、条件作文は練習次第で書けるようになるからです。
条件作文には「型」があります。「型」通りに練習を数回繰り返すことで、(体感ですが)8割の生徒は、採点可能な作文に仕上げるようになります。残り2割の生徒は、しばらくの間、作文の迷路に入り込みます。つまり、言いたいことを詰めすぎ、何を主張したいのかわからない文章を書きます。
どのような生徒がこういう状況におちいるのでしょうか。たとえば、「普段から書いているから」や「いつも通りに書けばいいや」などと考える傾向の生徒がいます。こういった、悪くいえば「なめている態度」や「斜に構えた態度」をとっている生徒ほど、作文の迷路に入り込みやすいのです。だからこそ、「型」にはめた練習が必要です。そして、日常に近いものほど、一度距離を置かなければなりません。やはり、勉強には、「素直さ」や「我慢強さ」がついて回ります。
正しい「型」を練習し、それができるようになってから「自分らしい」作文を書けるようになります。我々は、その道にたどりつき、外れないようにするような指導を心がけています。
なぜなら、条件作文の先には「小論文」や「論文」といった、いわば「相手を納得させる」文章が待ち構えているからです。
〜つづく〜